危険。夜のマニラに出没する "ラプトル" にお金をスられた話
フィリピンといえば危険!危ない!というイメージを持たれてることがかなり多い。
僕はそのイメージのほとんどは、マニラなどの都市部のイメージだと思ってます。
うん。都市部ではその通りです。あぶない(笑)
田舎の人達は本当に親切でのんびりおっとりしていたのですが、都市部になると急に人が変わったように目がギラついて、飢えた捕食者のような形相の人たちが一気に増えます。
「ニホンジン…食ウ…」ってかんじの目線が刺さります。
都市部と田舎を移動してみたらよく分かると思います(笑)めちゃくちゃわかりやすく雰囲気が変わる。
そんなマニラの危険事情。
夜の市街地で集団スリにあった体験談………
マニラの闇、スリ集団 "ラプトル" の悲しい現実
初めに言っておくと、『ラプトル』はただの例え。
別にギャング名でもやんちゃな青年の名前でもありません。
その風体から僕が勝手に名付けました。
恥はへその緒と一緒に切り落とした人間なので。かっこいいでしょ。
実際にスられたのは一緒にいた友達です。僕もポケットにお金入れてたら絶対スられてました。
お金をスられたと気づいたとき、怒りを感じるよりも先に、悲しい気持ちになりました。
これは、深い深いフィリピンの闇の、ほんの一部です。
2019年2月28日23時過ぎ マニラ 市街地
その日も一日フィリピンの中心地で遊び歩いてクタクタで、ホテルのバーで眠ってしまっていたところに「外に遊びに行こう」と連れに誘われた。
例えへばりかけていても楽しい時間を逃すつもりはさらさらない僕は、外に遊びに出た。
さすがは都心、まだまだ明るい。
屋台で担々麺(あんまりおいしくない)を食べる。
僕は、夜のマニラを探検してみたかった!
マニラに来るまでの旅行はほとんど田舎巡りだったので、なんかそこまで危ない感覚はなかったんだ。
少し見くびっていた。主観だけどマニラは他と桁違いに危険度があがる……
もちろん、ミンダナオ島の一部とか特に危ない地域はあるけど、それは除いて。
冒頭でも言ったように、フィリピンでは、同じ国の中でも都心と田舎で雰囲気がガラリと色を変えるんです。
さて、夜のマニラよ。何が待ってるかな。
眠かったし、脳みそもあんまり仕事してくれてなかったのは大きいかも(笑)
フィリピンでは子供も結構路上で小銭稼ぎをしてたりします。
子供ながらぼったくり商売をふっかけてくるのは興味深いですが、まあ、子供ならいっか…と許してしまいやすくなります。
それも奴らの戦略…(笑)
その時も、夜のマニラを歩いてると女の子が3人、群がってきました。
この旅行中、浜辺で子供たちと遊んだばかりなので「お、遊ぼうか」くらいの気持ちになります。
慣れるものですね、日本人の子供ではあまりいないので最初は戸惑いましたが、人気者になったみたいで意外と悪くない気分!(笑)
夜中なのに子供だけでちょっと珍しいな、とは、そのときは気づきもしなかったんですが。
遊ぼう!ヘイ!みたいなジェスチャーをしてみたんです。最初は。
でも、なんだ?様子が変。
思い切り叩いてきたり、叫んできたり。
なんというか「凶暴」という言葉が頭にちらつく。
ふと手に目をやると造花を持って、こっちに押し付けてきています。
うーん……。商売、か。
少し悲しい気持ちになりました。
フィリピンの田舎で出会った子供たちは、もちろん日本より貧しいでしょう。なのに日本の子供たちより何倍も満たされているようでした。
マニラの子供たちは、逆。
一般的に想像される「貧困」の形。
遊ぶのでも、寝るのですらなく、夜遅くに観光客へ造花の押し売りに来ている。
殴られた痛みは、貧困の痛みのように感じました。
しばらく歩くと付いてこなくなりました。
ずっと付いてきて周りをうろちょろしてたんで、マリカのアカこうらをまとってるみたいで内心楽しんでいた部分もあったのですが(笑)
少し歩き、はっ、とする友達。
「ない。」
ポケットの70ペソがなくなっている。
まさか。
子供たちを思い出す。
子供たちが、小さい手を僕のポケットに突っ込んでいたことを思い出す。
アカこうらじゃなかった。僕は自分の愚かさに気づく。
彼女たちは、まるでヴェロキラプトルのように集団で、狩りをしていたんだ。
叩いて意識を反らし、滑り込ませるのに便利な小さな手は、ちょうど大人の腰のあたりに届きやすい。
マニラ。こっわ。
貧困…。貧困は、子供たちにスリをさせる。物心ついた頃から。
日本では考えられない世界を、実感として味わいました。
スられた金額はかなり少額でしたし、何より僕は、彼女たちを責める気にはなれません。
でも、マニラを夜中に出歩くときは、スリ集団ラプトルに気をつけて。
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